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Q&A
現代社会を生きることと、ストレスはコインの表裏のように切っても切り離せないものです。
リラクゼーション、スポーツ、趣味、旅行、周りの方との相談など、ご自分なりのリフレッシュ、ストレス解消法を皆さん工夫していることと思います。
しかし、それでも解決できず、原因がはっきりしないまま、不安や緊張が続き、自分ではどうしようもならないほど憂うつになることがあるかと思います。
こうした場合どうしたら良いのか?
ここでは、うつ病や神経症についてのよく伺うご質問にQ&A形式で説明させていただきたいと思います。
<うつ病>
- Q. うつ病というのはどんな病気でしょうか?
- うつ状態では、寝つきが悪い、夜中に目覚める、早朝に起きてしまう、食欲がなく、やる気がでず、憂うつで、一つのことにとらわれ、何をするにも非常に億劫で、それこそ、電気のスイッチひとつ入れることさえつらいことであったりします。重篤な場合、生きる気力さえ失ってしまうこともあります。
また、仮面うつ病といって、憂うつな気分がその名のとおりマスクされて、身体症状が前景に出るものもあります。子供がストレスを言語化せず、身体化するのに似ています。頭痛、めまい、胃部不快感、下痢、便秘、生理不順、肩こり等々、様々な症状を呈し、本人も体のどこかに異常があると思い、いろいろな病院に行きますが、一通り検査を受けても身体の病気が結局見つからないと言った状態です。 - Q. うつ病はどうして起こるのでしょうか?
- うつ病は、生物学的には脳の神経伝達物質のバランスが不安定になることによって週単位、月単位で起こってくる病気です。
転職や退職、、昇進、引越し、近親者の死亡、結婚、出産など精神的負担や動揺が誘引になることがあります。 - Q. どのくらいの頻度で起こりますか?
- 統計的には、人口に対し感情障害全体で0.5%程度の出現頻度といわれていましたが、最近ではうつ病の生涯罹患率は約15%にもなるという報告もあり、ごくありふれた病気と考えてよいと思います。患者さんの多さから「心の風邪」とも呼ばれています。
- Q. どう接したらよいですか?
- 「心の風邪」をひいて、主婦ならば家事が滞ったり、勤めていれば仕事が溜まったり、ミスが増えたりと、今まで出来ていたことができず、自分を責めたりするかもしれません。
また、周囲の捉え方も怠けているという風だったり、またはそうとられていると感じる事でますます落ち込む、という悪循環がよく見受けられます。傍で見るよりずっと苦しい病気ですから、周囲も本人の病気のことを理解することが大切です。ただし、うつ病の患者さんにあれこれ指示したり励ましたりは禁物です。 - Q. 治療法はどのようなものがありますか?
- 脳神経系の生物学的な問題が基底にありますので、糖尿病や胃潰瘍のように普通の病気であると捉えてください。
うつ病が疑われたら、専門医にかかることをお勧めします。
治療には、薬物療法、精神療法などがあります。うつ病の患者さんを潜在的なレベルまで含めてスクリーニングし、きちんと薬物療法に導くのは、欧米では毎年日にちを決めて行われている国家的プロジェクトですが、日本はまだその前段階です。薬物も日夜進歩しており1999年にSSRI、2000年にSNRIと呼ばれる副作用の少ない新しい薬が日本でも処方が可能となり、安全で気軽に服用していただけます。早期に治療を受けることで、病気の重篤化や長期化を防ぐことが出来ます。重症例もありますが、多くは適切な治療で必ずよくなってまいりますので、ご安心ください。
<神経症>
- Q. 神経症とはどんな病気ですか?
- 神経症と一口に言っても、これにはいろいろなタイプがあります。
・ 突然不安感が高まり、動悸、発汗、息苦しさ等の身体症状が出現する不安障害
・ 対人恐怖やバスや飛行機に乗れない、狭いところが怖いといった恐怖性不安障害
・ ガスや鍵の確認、手を何回も洗うなどの強迫観念・行為が繰り返される強迫性障害
・ 些細な体調の変化で自分を重病と思い込む心気性障害
・ 阪神淡路大震災で有名になったPTSD(外傷後ストレス障害)など
その症状は非常に多彩です。
- Q. 原因はありますか?
- これらは何か心の負担になるようなことがあって、それが意識化されていない場合に生じてきます。
現代社会は非常にストレスフルであり、家庭、職場、学校といった身近なところから、特に最近は不安定な世界情勢、戦争、テロリズム、不況、地震、感染症の脅威等々、精神に与えるダメージに環境因子は相当深く関わっているといってよいでしょう。
一般に働いている社会人の方、学生の方、主婦の方など、誰もがいつこのような症状を呈してきてもおかしくない状況です。皆様の周りでもけして珍しくない、現代病として確実に増加している疾患です。 - Q. 治療はどのようなものですか?
- 抗不安薬等を用いた薬物療法、精神療法、カウンセリング等があります。
また、どの疾患にも共通することですが、心のケアには良好な医師-患者関係がベースにあることがまず第一です。